誘導灯・誘導標識の点検要領について|高輝度蓄光式誘導標識についても詳しく解説!

消防用設備

みなさんこんにちは。

今回は誘導灯の点検要領について説明していきます。点検に際し、誘導灯信号装置・専用感知器等の有無を確認して、点検に支障がでないように気を付けましょう。

また高輝度蓄光式誘導標識について下部で説明しています。

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誘導灯の点検要領

外箱及び表示面

誘導灯の外箱及び表示面は「種類」「視認障害の有無」「外形」「表示」の4点に関して、以下の点検事項に着目して点検しましょう。

種類

  • 防火対象物の用途、設置場所により適正な機種の誘導灯(避難口・通路など)が設置されているか
  • 方向を示す誘導灯はその方向に誤りがないか
  • 機種等により適正な距離が保たれているか
  • 機種等の組み合わせが適正になっているか

視認障害

  • 所定の位置に設置されているか
  • 誘導灯の周囲にこれとまぎらわしいもの、誘導灯をさえぎる灯火、掲示物などがないか
  • 誘導灯の周囲に間仕切り・衝立・カーテンなどがあって視認障害になっていないか
  • 防火対象物の改築等により誘導灯の設置位置が不適切になったり、個数に不足が生じていないか

外形

  • 正常に取り付けてあるか
  • 変形・破損・変色・脱落などがないか(表面の緑色が青色に、白色が茶色に変色している場合は速やかにパネル交換する。)

表示

  • スイッチの名称、専用回路である旨の表示に汚損・不鮮明がないか
  • 誘導灯・誘導標識の基準に適合する器具か、又は指定認定機関の認定証票が貼ってあるか

非常電源(内蔵型に限る)

誘導灯内蔵の非常電源が緊急時に正しく作動するかを点検します。

外形

  • 変形・破損・腐食・亀裂などがないか
  • 電解液等の漏れがなくリード線の接続部に腐食等がないか

表示

  • 所定の電圧値・容量の表示がされているか

機能

非常電源の機能面を点検する際は誘導灯を非常電源に切り替えて確認しましょう。

  • 不点灯・ちらつきがないか
  • 定格の時間(普通型は20分、長時間型は60分)、非常点灯するかを確認する。(「誘導灯及び誘導標識の基準」(平成11年消防庁告示第2号)に適合しているものとして、消防庁長官が登録する登録認定機関が行う認定の効力を有している誘導灯のうち、その蓄電池の製造年からJIS C 8705に該当する蓄電池にあっては3年、国際電気標準会議規格61951-2に該当する蓄電池にあっては5年を超えていないものを除く。) 
  • 上記について自動点検機能を有する誘導灯の場合は、次により確認する。
    • 個別制御方式:非常点灯終了後における表示ランプの色等により判定する
    • 集中制御方式:非常点灯終了後、制御装置の表示等により確認する
  •  定格の時間、非常点灯するかどうかの確認については、次の抜取方式により行うことができる。ただし、集中制御方式のものを除く。
    • 各階ごとに10%以下とならない範囲で、任意の誘導灯により行う
    • 点検の都度、同一器具についての繰り返し点検ではなく、器具を順次変えて行う

光源

  • 汚損、著しい劣化、ちらつき、自動点検機能による表示ランプ等(モニターランプ)の異常表示等がなく、正常に点灯しているか
  • 誘導灯器具内の配線等で表示面に影ができていないか

点検スイッチ

  • 変形・破損・脱落等がないか
  • 点検スイッチを操作して(ボタンを押す・ヒモを引っ張る等)常用電源を遮断した瞬間に非常電源に切り替わり、常用電源が復旧した瞬間に常用電源に切り替わるか

ヒューズ類

  • 所定の種類・容量のものが使われているか
  • 損傷・溶断がないか

結線接続

  • 断線・端子の緩み・脱落・損傷がないか

信号装置等

消灯機能・点滅機能・誘導音機能・減光機能等を作動させるための移報装置をいいます。

外形

  • 変形・損傷・腐食・端子の緩みがないか

結線接続

  • 断線・端子の緩み・脱落・損傷がないかを目視・ドライバー等で確認する

機能

  • 正常に点滅するか
  • 正常に音声などが鳴動するか
  • 正常に点灯することか(減光型、消灯型に限る)

制御装置

制御装置の点検は集中制御方式の自動点検機能を有する誘導灯に限ります。

  • 「運転中」「監視中」の表示ランプが点灯しているか

誘導標識の点検要領

外形

  • 変形・損傷・著しい汚損・脱落・剥離等がなく、容易に誘導標識として識別できるか

視認障害等

  • 所定の位置に設置されているか
  • 誘導標識の周囲に間仕切り・衝立・カーテンなどがあって視認障害になっていないか
  • 防火対象物の改築等により誘導標識の設置位置が不適切になったり、個数に不足が生じていないか
  • 誘導標識の周囲にこれとまぎらわしいもの、誘導標識をさえぎる灯火、掲示物などがないか

採光又は照明

識別に十分な採光又は照明があるか

表示面の輝度

※高輝度蓄光式誘導標識に限る

  • 劣化による輝度の減衰がないか目視・輝度計で確認します。

設置場所の輝度

※高輝度蓄光式誘導標識に限る

  • 設置場所において十分な照度を確保しているか目視・照度計で確認します。

ヒューズ類

※電気エネルギーにより光を発する誘導標識に限る

  • 所定の容量・種類のものが使われているか確認する。
  • 損傷・溶断等がないか確認する。

結線接続

※電気エネルギーにより光を発する誘導標識に限る

  • 断線・端子の緩み・脱落・損傷がないかを目視・ドライバー等で確認します。

電源

※電気エネルギーにより光を発する誘導標識のうち内蔵型の電源を有するものに限る

  • 外形:変形・損傷・腐食・亀裂等がない、電解液に漏れ・リード線等に腐食がないか
  • 表示:所定の電圧値及び容量の表示があるか
  • 機能:内蔵電源に切り替えて不点灯、ちらつきがないか

高輝度蓄光式誘導標識について

高輝度蓄光式誘導標識(以下、高輝度標識)について解説していきますので以下写真をご覧ください。

そもそも蓄光式誘導標識は電気や配線を用いないため、維持コストが低く環境にも優しいとされる誘導標識です。

下記の写真の認定証票が付いている誘導標識は中輝度蓄光式誘導標識(以下、中輝度標識)で、標識の右下に付いている認定マークの大きさが20mmです。一方、高輝度蓄光式誘導標識の認定マークは10mmです。

中輝度誘導標識の消防認定マーク
中輝度誘導標識、消防認定マークの例   引用元:だれでもわかる消防用設備 | わかりやすく説明・解説する、 消防設備士の防災ブログ

また輝度も違い、一定時間、一定方式で蓄光した標識を20分放置したあとの表示面の平均輝度が100ミリカンデラ/㎡以上の誘導標識が高輝度標識で、24~100ミリカンデラ/㎡未満が中輝度標識です。

高輝度蓄光式誘導標識の見分け方は認定マークが10mmか20mmかで判別しましょう。

上記の写真は高輝度誘導標識の写真で、認定マークの大きさが10mmであることがわかります。実際に暗闇でこの高輝度誘導標識を光らせてみると、すごい明るくてわかりやすい標識でした。

高輝度誘導標識は誘導灯の代替ができるとのことでしたが、代替ができるかどうかは所轄消防署によりますので事前に確認をしたほうが良いと思います。

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