誘導灯の設置基準について②|誘導標識の設置基準や誘導灯の設置手順を詳しく解説!

消防用設備

皆さんこんにちは。

今回の記事は誘導灯の設置基準の後半部分について図を用いてのわかりやすい解説をしていますのでぜひごらんください。

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誘導灯及び誘導標識の設置基準

長時間(60分間)定格型誘導灯の設置

通常設置される誘導灯の非常電源の容量は20分ですが、下記のいずれかに該当する防火対象物では60分定格の誘導灯を設置しなくてはなりません。(20分間を超える時間における作動に係わる容量には自家発電設備によるものを含む)

  1. 述べ面積50000㎡以上
  2. 地階を除く階数が15以上であり、かつ、述べ面積30000㎡以上
  3. 地下街で述べ面積1000㎡以上
  4. 地下駅舎(乗車場、階段、通路など)

そして60分定格の誘導灯の設置場所としては、

  1. 屋内から直接地上へ通ずる出入口(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口。)
  2. 直通階段の出入口(附室が設けられている場合にあっては、当該附室の出入口。)
  3. 避難階の廊下及び通路(1.の避難口に通ずるものに限る。)
  4. 直通階段(※階段通路誘導灯を非常用の照明装置で代替する場合においても予備電源を60分間作動できる容量以上が必要。)
  5. 乗降場地下にある場合にに限る。)
  6. 上記5に通ずる階段、傾斜路及び通路。なお、上記3.については上記1.と4.を接続する部分としてさしつかえないこと。

階段・傾斜路における誘導標識の設け方

階段又は傾斜路に設ける通路誘導灯にあっては路面又は踊場の中心線の照度が1ルクス以上となるように、また、地震動等に耐えられるよう壁、床等に堅固に設ける。

政令別表第1(1)項から(16の3)項までに掲げる防火対象物の階段又は傾斜路のうち、非常用の照明装置により避難上必要な照度が確保されるとともに、避難の方向の確認(当該階の表示等)ができる場合には、通路誘導灯の設置を要しない。

※建築基準法の規定により非常用の照明器具などで階段の床部分の照度が1ルクス(蛍光灯の場合は2ルクス)以上であれば階段通路誘導灯の設置を要しない。(非常用の照明器具で代用できる。)

誘導標識の設置基準

  1. 避難口である旨、又は避難の方向を明示した緑色の標識とし、多数の者の目に触れやすい箇所に、避難上有効なものとなるように設置すること。
  2. 避難口又は階段に設けるものを除き、各階ごとに、その廊下及び通路の各部分から1の標識までの歩行距離が7.5m以下となる箇所及び曲がり角に設置すること。
  3. 多数の者の目に触れやすく、かつ、採光が識別上十分である箇所に設置する。
  4. 誘導灯の有効範囲内の部分については、誘導標識を設置しないことができる。

誘導灯に代えて設置できる蓄光式誘導標識について

  1. 高輝度蓄光式誘導標識とすること。
  2. 避難口の上部又はその直近の箇所に設けること。
  3. 性能を保持するために必要な照度が採光又は照明により確保されている箇所に設けること。
  4. 周囲には蓄光式誘導標識とまぎらわしいまたは蓄光式誘導標識を遮る広告物、掲示板等を設けないこと。

通路誘導灯を補完するために設けられる蓄光式誘導標識について

  1. 高輝度蓄光式誘導標識とすること。
  2. 床面又はその直近の箇所に設けること。
  3. 廊下及び通路の各部分から1の誘導標識までの歩行距離が7.5m以下となる箇所及び曲がり角に設けること。
  4. 性能を保持するために必要な照度が採光又は照明により確保されている箇所に設けること。
  5. 周囲には蓄光式誘導標識とまぎらわしいまたは蓄光式誘導標識を遮る広告物、掲示板等を設けないこと。
  6. ※光を発する帯状の標示を設けることその他の方法によりこれと同等の避難安全性が確保されている場合にあっては、上記1~5によらないことができる。

図解で見る誘導灯設置例

ここまで説明してきた誘導灯の設置基準ですが、図解で設置例を見てみましょう。

避難口誘導灯

避難口誘導灯は下記の(ア)~(エ)までに掲げる避難口の上部又はその直近の、避難上有効な位置に設けること。

通路誘導灯

通路誘導灯は廊下・通路及び居室等のうち、下図の(ア)~(ウ)に掲げる箇所に設けること。

また通路誘導灯間の配置は以下によること。

避難口誘導灯、通路誘導灯を設計する場合の手順

上図を参照して、

  1. 直接地上へ通ずる出入口・直通階段や居室の出入口などに避難口誘導灯を設置(A)
  2. 曲がり角に通路誘導灯を設置(B)
  3. 主要な出入口等(規28の3-3-1、イとロ)に設置されている避難口誘導灯の有効範囲内の箇所に通路誘導灯を設置(C)
  4. 廊下又は通路の各部分について、(A)~(C)の誘導灯の有効範囲外となる部分がある場合、当該部分をその有効範囲内に包含できるように通路誘導灯を設ける(D)
  5. 以上の他、防火対象物又はその部分の位置、構造及び設備の状況、使用状況から判断して、避難上の有効性や建築構造、日常の利用形態などを加味して設置位置や使用機器を調整する。

※居室内の出入口へ設置する避難口誘導灯は、当該居室の床面積は100㎡以下(防火対象物の関係者や従業員が使用する場合は400㎡以下)であれば避難口誘導灯設置不要 、ただし当該出入口を容易に見渡せて識別できる場合に限る。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

かなり細かい内容ですが、前回と今回の記事の内容は設計や改修工事だけではなく消防点検でも役に立つと思っています。

それはなぜかというと改修工事や間仕切り変更などで部屋や通路に変更があった場合に、誘導灯(誘導標識)が正規な位置・距離に設置されているか確認ができるからです。

通常であれば改修工事等の完工の際に消防署が検査に来て確認するのですが、まれに消防署に書類(模様替え等に係る資料提出や消防用設備等試験結果報告書など)を提出しないで工事を行う業者がいるために、消防署は改修工事が行われたことがわからないので検査等ができません。

そのような状況で消防点検等で防火対象物に入ったときに「あれっ?配置が違うなぁ」と役に立つと思いますので覚えておいて損はないと思います。

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