スプリンクラーのヘッドと付属機器について紹介!|付属機器が起動する仕組みについても解説

消防用設備

本記事ではスプリンクラーヘッドの種類についてお話させて頂きます。また、ヘッド以外にもスプリンクラーの付属機器はさまざまです。今回はその付属機器についても人流ずつご紹介していきます。

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スプリンクラーヘッドについて

外形による区分

フラッシュ型

比較的新しい建物に設置されているタイプです。主に埋込型でマルチ型に比べて露出する部分が少なくスタイリッシュなので最近はこのフラッシュ型が良く採用されています。

フレーム(馬蹄)型

工場や倉庫などで見かけるタイプです。露出型で上向きと下向きがあり、上向きに取り付けが出来るので物品をぶつけにくい利点があります。

また、駐車場などの泡消火設備で減圧開方式の一斉開放弁において火災感知ヘッドとしてもよく使用されています。

マルチ型

古い建物でよく見かける、主に露出型のスプリンクラーヘッドです。昔からあるヘッドで、いろいろな防火対象物に設置されています。

コンシールド型

スプリンクラーヘッドにコンシールドと呼ばれる感熱機能のあるフタがされているタイプです。ヘッドがフタで隠れているので、物品がぶつかっても壊れにくく、インテリアに調和するので目立ちません。火災の場合は約60℃で感熱機能のコンシールド部が脱落し、約72℃でスプリンクラー放水という2段階式になっています。

またこのコンシールド部に火災感知器の性能を持たせて、コンシールド脱落することで一斉開放弁(若しくは電動弁)開放といった使われ方もされています。

主に水道直結型スプリンクラー(通称ホームスプリンクラー)に使用されています。

機能による区分

スプリンクラーヘッドには閉鎖型・開放型・放水型がありますが、機能的に以下に分かれます。

スプリンクラーヘッドの使用温度

各スプリンクラーヘッドには感熱温度が分かれていて使用場所において使い分けることができます。スプリンクラーヘッドに色で区分けしています。

  • 60℃未満…黒
  • 60~74℃…無し
  • 75~120℃…白
  • 121~161℃…青
  • 162~199℃…赤
  • 200~259℃…緑
  • 260℃以上…黄

スプリンクラーの付属機器

流水検知装置

これはその名の通り、流水を検知する装置です。通称アラーム弁と呼ばれます。

通常の状態ではスプリンクラーは配管内に流水はありません。スプリンクラーヘッドが開放して水が流れると、この流水検知装置(以下アラーム弁)の中で流水が発生して弁体が開き、付属の圧力スイッチが押されスプリンクラーが放水しているという警報を出します。

制御弁や末端試験弁などを閉鎖して流水がなくなると、アラーム弁の弁体も閉鎖して圧力スイッチも戻り、警報も復旧します。

たまにこのアラーム弁の開放信号でスプリンクラーポンプが起動する場合があるので気をつけましょう。

一斉開放弁

アラーム弁は警報を出す為のものですが、この一斉開放弁はそれ自体が制御弁になっていて、圧力の増減や電磁弁等で弁体を開放して通水する機能があります。一斉開放弁には以下の種類があります。

加圧型一斉開放弁

弁体を開放するのに圧力を加えるタイプです。ポンプからの加圧水を弁体に送ってその力で弁体を開放します。

減圧型一斉開放弁

弁体を開放するのに圧力を除去するタイプです。常時弁体開放側を加圧しておき、起動時にその圧力を除去して弁体を開放します。

電動・電気式一斉開放弁

前述した加圧型・減圧型は圧力を増減することで弁体開放していましたが、この方式は弁体を直接、電気・機械的に動かして開放する仕組みになっています。(電動ボール弁など)

スプリンクラーポンプ

基本的な構造は消火栓ポンプと同じですが、スプリンクラーポンプは起動のトリガーである配管内の圧力を監視する圧力タンクと圧力スイッチを用いています。

スプリンクラーヘッド(一斉開放弁)開放→配管内圧力が低下→圧力タンク内圧力も低下→圧力スイッチが作動→スプリンクラーポンプ起動という仕組みです。

また配管内圧力の維持が難しい場合に圧力を補助的に加圧する補助加圧ポンプ(ジョッキポンプ)が設置されている場合があります。この場合には補助加圧ポンプ用圧力スイッチとスプリンクラーポンプ用圧力スイッチの2つが圧力タンクに付いています。

またポンプが大型でポンプの吐出圧力が多すぎる場合に、圧力を調整する一次圧調整弁というものが設置されている場合があります。

一次圧調整弁

この一次圧調整弁は減圧弁の一種で、ポンプの吐出し圧力が高い場合にその圧力を減圧調整して2次側に送る装置になります。

屋内(屋外)消火栓では消火栓箱の玉型弁の出口に減圧弁を付けて圧力調整を行っていますが、スプリンクラーポンプや泡ポンプなどは消火栓などに比べて流量を多く必要とするために大きめのポンプを選定します。

この場合にポンプが大きくなるほど流量と圧力は大きくなりますが、圧力が高すぎる場合に消火栓箱などの末端部で減圧を行うのではなく、配管への負荷を減らす為にポンプの吐出し部の直近で減圧したいのでこのような調整弁を設置する場合があります。

末端試験弁

閉鎖型スプリンクラーヘッドが付いている配管の一番末端(配管内の圧力が一番低くなると予想される部分)にこの末端試験弁がついています。この試験弁の部分にオリフィス(試験用放水口…スプリンクラーヘッドと同等の放水性能を有するもの)と仕切弁と圧力計がついていて放水圧力を測定することができます。

またこの圧力とオリフィスの大きさ(流量定数)から配管内の流量を求めることができます。この圧力が0.1~1.0Mpaで80ℓ/分以上あるか(流量定数K80の場合)確認します。

末端試験弁を開放したときにアラーム弁の作動やポンプの起動までの時間を計測して、ヘッド開放→ポンプ起動→アラーム弁作動の時間を確認します。そうすればヘッド開放からスプリンクラー放出の警報が出るまでの時間がわかります。

末端試験弁を開放して流量試験を行う際に、末端試験弁の閉止動作はゆっくりと行ってくださいウォーターハンマーを起こす恐れがありますので気をつけましょう。

▼ウォーターハンマーについての解説はこちら▼

補助散水栓

スプリンクラーヘッドの設置を要しない部分(機械室、電気室や未警戒部分)の屋内消火栓の代替に使用される、2号消火栓と同じ姿の散水栓です。

以前はスプリンクラーヘッドが付いていない部分の防護には屋内消火栓を設置しなくてはならないため、ポンプも屋内消火栓用とスプリンクラー用で2台必要でした。しかし、この補助散水栓を使えるようになって、屋内消火栓を設置する必要がなくなりました。

補助散水栓自体は2号消火栓と同じ役割のもの(兼用できる)で、消火栓ポンプに使うなら2号消火栓、スプリンクラーポンプで使うなら補助散水栓になります。

送水口

火災時にスプリンクラーポンプが作動しないなど不慮の放水不能状態に、この送水口へ消防自動車の消防ポンプから送水してスプリンクラーヘッドまで水を送るためのものです。

送水口の口金は呼称65の差込式(ねじ式もある)の受け口が付いていて、消防隊が使用しているホースがそのまま差し込めるようになっています。

もちろんこの送水口は屋外など消防自動車が容易に接近できる場所に設置され、差込部は双口型(2つ並んでいる)になっています。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

スプリンクラー設備には色々な付属機器があります。

同じ消火設備である屋内消火栓に比べても多いですが、どれも重要な機器ですので私みたいに消防用設備点検をしている者は仕組みなどを良く理解しておく必要があると思います。

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