消防設備士甲種1類の必勝法|合格に欠かせない3つのポイント

資格

消防設備士の資格の中で、甲種1類はスプリンクラー設備などの水関係の消防設備を扱える国家資格です。

消防設備士には消防用設備の整備・点検を行える「乙種」と、整備・点検に加えて工事を行える「甲種」があります。また、特類、1類、2類、3類、4類、5類、6類、7類があり、類によって扱える消防用設備が異なります。

そのうち、今回は「消防設備士甲種1類」について解説していきます。後半は甲1試験対策の3つのポイントを紹介しているので、ぜひ最後まで読んで試験対策方法をゲットしてください!

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消防設備士甲種1類でできること

消火栓

扱える消防用設備

前述のとおり、消防設備士は資格の種類によって扱える消防用設備が異なります。

消防設備士甲種1類で整備・点検・工事を行えるのは水関係の消防用設備。具体的には以下のような設備です。

  • 屋内消火栓設備
  • スプリンクラー設備
  • 水噴霧消火設備
  • 屋外消火栓設備
  • パッケージ型消火設備
  • パッケージ型自動消火設備
  • 共同住宅用スプリンクラー設備

取得するメリット

厳しい甲種の資格、その分重宝される

消防設備士甲種1類の試験は、受験者数が甲種4類に次いで多いにも関わらず、合格率は他の類と比べて低いです。つまり、取得したいと思っている人は多い一方で実際に合格している人数は少ないということ。

屋内消火栓は一定以上の規模のマンションなどには設置義務があります。また、スプリンクラーは原則11階以上の建物に設置義務があります。これらの消防用設備は消火器や自動火災報知設備に次いで、身の回りに多く見られるものですよね。

そんな屋内消火栓設備やスプリンクラー設備を扱えるのが甲種1類の資格です。合格率が低いからこそ、取得すれば現場で人よりも活躍できるチャンスが増えるのではないでしょうか

収入アップ

消防設備士の資格は資格手当が貰える可能性があります。その金額は勤める会社の制度や業務内容によっては異なりますが、甲種では月1,000円から4,000円貰える会社もあるようです!1,000円でも月々増えるとなると、かなり大きいですよね。

消防設備士甲種1類は甲種ということもあって、難易度も専門性も高い資格です。資格取得すると祝い金5,000円をもらえるところも!(※求人ボックスより)

収入をアップするには、より給料が高い会社への転職という手もあります。水関係の消防設備を取り扱う会社では甲種1類を持っていればかなり就職に有利になるでしょう。

また、資格を活かして副業もできます。「消防設備士 求人」で検索してみると、短期で1日から働ける案件もたくさんあります。

「資格を持ってはいるが業務自体は未経験」という人でも応募できる案件もあるので、消防設備関係の会社に勤めていなくても資格を活かして働けます。

受験資格が必要です!

消防設備士甲種の試験はどなたでも受けられるというわけではなく、受験資格を満たしていなければなりません。

受験資格は大きく分けて国家資格等学歴実務経験によるものがあります。受験資格の種類は多岐にわたるため、詳しくは消防試験研究センターの受験資格からご確認ください。

ここでは代表的な受験資格と証明するために必要な書類を紹介します。

代表的な受験資格証明する書類
甲種消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、ガス主任技術者、建築士、教員免許状等免許・免許証等の写し
技術士、修(博)士(理学、工学、農学、薬学に相当する専攻分野)、専門学校検定合格者、管工事施工管理技士、配管技能士(1級又は2級)修了・合格証書等の写し
機械、電気、工業化学、土木又は建築分野を修めて大学を卒業卒業証書・学位記等のコピー、又は卒業証明書・単位修得証明書・科目履修証明書の原本
消防行政や消防用設備の工事において実務経験がある方実務経験証明書

また、消防設備士乙種をお持ちの方で、免状交付後2年以上の実務経験があれば受験資格を満たします。

甲種の中では低い合格率

消防試験研究センターでは過去2年分の試験受験者数や合格率が公開されています。前述のとおり、甲種1類の受験者数は甲種4類に次いで多いものの、合格率は30%程度と他の類よりも少し低いのが分かります。

しかし、国家資格の枠で見れば合格率30%は比較的高い合格率といえます。例えば不動産系の国家資格として有名な「宅建士」の合格率は約15%。甲1はこの2倍合格するチャンスがあると考えれば、この合格率は決して低くないと思います!

ただ消防設備士の知識が全くない人からすれば、一体どんな問題が出るのか不安ですよね。そんな方のために、次は試験内容についてご説明します。

試験科目

マーク式

消防設備士甲種1類の試験科目には「筆記試験」と「実技試験」があります。筆記試験では4択の問題がマーク式で出題され実技科目では設問に記述で答える問題が出題されます

問題数は筆記が45問、実技が7問で、試験時間は3時間15分です。問題の構成は以下の表のとおりです。

 試験科目問題数
筆記消防関係法令15
基礎的知識10
構造・機能および工事・整備20
45
実技鑑別、製図7

筆記試験

「消防関係法令」では、消防法に基づき、全類共通の法令とその類に特化した法令から問題が出されます。

「基礎知識」とは物理から電気や力といった分野の問題が出ます。理系の勉強が苦手な方は苦労するかもしれません。

「構造・機能および工事・整備」は屋内消火栓設備やスプリンクラー設備等の設置基準や規格について答える問題です。

実技試験

実技試験は名前だけ聞くと「機器の操作や専門的な技術が必要なのかな…」と思ってしまいますが、そんなことはありません!

実技問題では機器の写真やイラストを見て答える「鑑別問題」が5問と、系統図を見て機器の配置や空欄部分を書き込む「製図問題」が2問出題されます。実際に機器を操作することはありません。

たしかに実務経験がない方にとっては難しい内容だとは思いますが、問題集では実技問題が豊富に掲載されています。たくさん解いて問題に慣れれば大丈夫!

合格基準

試験の合格基準は筆記試験において全体の問題数の60%以上で各科目の問題数の40%以上を正答、かつ実技試験において60%以上を正答すると合格です。

合格に必要な正答数は以下の表をご覧ください。どの科目もまんべんなく勉強する必要があることがわかりますよね。

 試験科目各科目の正答率
筆記消防関係法令6問以上/15問筆記全体で27問以上/45問
基礎的知識4問以上/10問
構造・機能および工事・整備8問以上/20問
実技鑑別、製図設問に対して60%以上の成績

科目免除できる場合があります

消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士などの専門的な資格を有する方は、申請により試験科目の一部が免除されます。

消防設備士甲種の資格をお持ちの方

消防設備士甲種で1類以外の資格をお持ちの方は科目一部免除の対象となります。ただし乙種は免除対象とならないのでご注意ください。

電気系の国家資格をお持ちの方

消防設備士甲種のほかにも、以下のような資格をお持ちであれば科目免除が受けられます。

  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 技術士(機械部門、衛生工学部門)

特殊な勤務経験も免除対象

上記のような国家資格をお持ちでない方の中でも、消防設備士に関する特殊な勤務経験があれば科目免除の対象となります。

  • 日本消防検定協会または指定検定機関の職員で、型式認証の試験の実施業務に2年以上従事した方
  • 5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち専科教育の機関科を修了した方

免除できる科目

それぞれの資格によって免除できる科目は異なります。以下の表は科目免除できる資格とそれに対応する免除科目を表しています。

科目免除の申請は、受験申請と一緒におこないます。その際に下記に示す免除資格を証明する書類が必要なので、事前に用意しておきましょう。

 資格等免除科目必要な書類
消防設備士甲種2類または3類消防関係法令(共通部分)
基礎的知識
免状のコピー
消防設備士甲種4類または5類消防関係法令(共通部分)免状のコピー
電気工事士基礎的知識、構造・機能および工事・整備(電気に関する部分)免状のコピー
電気主任技術者基礎的知識、構造・機能および工事・整備(電気に関する部分)免状のコピー
技術士(電気・電子部門)基礎的知識、構造・機能および工事・整備技術士第2次試験若しくは本試験の合格証明書又は技術士登録証のコピー
日本消防検定協会又は指定検定機関の職員で、型式認証の試験の実施業務に2年以上従事した方基礎的知識、構造・機能および工事・整備型式承認試験の実施業務の従事証明書
5年以上消防団員として勤務し、かつ、消防学校の教育訓練のうち専科教育の機関科を修了した方基礎的知識、実技試験のすべて「5年以上消防団員として勤務したことを証明する書類」および「消防学校の教育訓練のうち専修教育の機関科を修了したことを証明する書類」

甲種1類合格に欠かせない3つのポイント

3つのポイント

さて、試験内容や申し込み方法がわかったところで、さっそく試験に備えて勉強を始めましょう。しかし、何から手を付けたらいいかわかりませんよね。

ここでは甲1合格に向けた勉強における3つのポイントを紹介します。まずはこれを読んで、勉強の方針を立てましょう!

実技対策に力を入れよう

実技問題は前述のとおり、実際の機器の写真や、機器の系統図を見て答えます。選択肢がない分、しっかり理解していないと答えられない問題です。

実務経験がない方は屋内消火栓設備の関係装置やスプリンクラー設備の系統図を簡単に理解できないと思います。実技試験の勉強だけに全体の1/3は時間をかけてあげるといいでしょう

適切な参考書を選ぼう

資格の勉強をするときはまずテキストと問題が載った参考書を買いますよね。参考書の選び方で勉強の効率は変わります。

参考書を選ぶ際は「解答の充実」「実技試験対策の手厚さ」という点に着目してください。

解答の質が高い参考書で勉強すると効率がぐんと上がります。答えと簡単な解説しかないものと、加えて参考にすべきページが書かれているものでは、後者のほうが断然復習しやすいですよね。

また、実務経験がない方にとって実技試験というのはまったく未知の問題でしょう。そんな人はとにかく問題数をこなして目を慣らす必要があります。同じスプリンクラー設備の系統図でもさまざまなバリエーションの問題があれば、試験当日に初見の問題に出くわす確率が低くなります!

余裕がある方は一冊まるまる問題集のものを買うのもいいでしょう。

効率よく勉強しよう

消防設備士甲種は約3か月間勉強して試験に挑む方が多いようです。時間をいっぱいに使える方は問題集を3周以上するといいでしょう。とにかく問題数をこなして、自分の苦手な範囲を知ることが必要です。

これは賛否両論ある勉強方法ですが、初見の問題でわからないと思ったらすぐ解答を見るのをおすすめします。わからないものに悩んで時間を使うよりは、解説を読んでしっかり理屈を理解することに努めたほうが効率的です。もちろん2回目以降は自力で解くように!

時間がないときは動画でスキマ時間に勉強してみてはいかがでしょうか

YouTubeには多くの試験対策動画が投稿されています。通勤電車の中や朝の準備時間に動画を見ながら復習すると、知識がより身につくのではないでしょうか!

受験の手引き

試験に向けてのイメージはつきましたか?それでは試験に申し込みまでの流れも簡単におさらいしましょう。

試験日程

試験は全国の都道府県で開催されます。試験日は各都道府県によって異なり、居住地や勤務地に関係なく試験を受けられます。

試験日の2ヶ月前ほどに申請が始まるので申請期間を逃さないように注意が必要です。

全国の試験日程はコチラから検索できます。

申し込み方法

申し込み方法には書面申請と電子申請の2つの方法があります。

  • 書面申請・・・願書などの必要な書類を揃えて提出する方法
  • 電子申請・・・インターネットから申し込みをする方法

受験資格を証明する書類を提出したい場合や、科目免除を受けるために証明書類を提出する場合には電子申請は利用できません。書面申請を行いましょう。

資格があれば未経験でも働ける?

消防設備士の資格を取得したら、せっかくですからその資格を活かして働きたい方も多いと思います。しかし未経験の場合なかなかハードルが高かったり、本業がある方は求人に出ているような週3日以上の勤務は難しいですよね。

そんな方におすすめするのが消防設備点検未経験の方に向けた特別特集『ビルメスクール』です。

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未経験から消防設備士として一歩踏み出したいという方はぜひビルメスクールに参加してみてはいかがでしょうか?

まとめ

消防設備士甲種1類について理解できましたか?

甲1は難易度が比較的高い資格ですが、その分持っていれば重宝される資格です。しっかり勉強期間を確保して自分なりの勉強方法を確立すれば、きっと合格できるはずです。

さらなるキャリアアップのために頑張りましょう!

当サイトには甲種1類に関係する消防用設備についての記事もあります。参考になれば幸いです。


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