消防設備点検資格者は消防法で定められた消防設備の点検や報告に必要な国家資格です。
消防設備点検資格者は5年ごとの再講習が義務付けられています。再講習を受講しないとせっかく取得した資格が喪失してしまうのはご存じでしたか?
うっかり喪失させてしまわないように、再講習の準備を早めに済ませてしまいましょう。
本記事では、現役の消防設備士が消防設備点検資格者再講習を3つのステップで解説し、申し込みの注意点やポイントをまとめました。
ステップ1.有効期限を確認しよう
いつまでに受講が必要なのか、ご自身が取得している免状の有効期限を確認しましょう。
法令では下記のように定められており、表のようになります。
免状の交付を受けた日(交付年月日)以後における最初の4月1日から5年以内となります(平成12年消防庁告示第14号)
日本消防安全センター
具体的な有効期限は以下のようになります。ご自分の交付時期と照らし合わせて参考にしてください。
免状の交付を受けた日 | 有効期限 |
平成27年4月1日〜平成28年3月31日 | 令和3年(平成33年)3月31日まで |
平成28年4月1日〜平成29年3月31日 | 令和4年(平成34年)3月31日まで |
平成29年4月1日〜平成30年3月31日 | 令和5年(平成35年)3月31日まで |
平成30年4月1日〜令和元年(平成31年)3月31日 | 令和6年(平成36年)3月31日まで |
令和元年(平成31年)4月1日〜令和2年3月31日 | 令和7年(平成37年)3月31日まで |
令和2年4月1日〜令和3年3月31日 | 令和8年3月31日まで |
令和3年4月1日〜令和4年3月31日 | 令和9年3月31日まで |
有効期限はお持ちの免状でも確認できます。
再講習の時期が近くなると日本消防設備安全センターから「再講習受講案内」が送付されますが、ご自身でも有効期限は確認しておきましょう。
有効期限が平成になっているものも多いので、間違いのないように!
消防設備点検資格者を複数(第1種、第2種、特種)取得している場合は、免状ごとに有効期限があるのでそれぞれ確認しましょう。
ステップ2.再講習の実施状況を確認しよう
日本消防設備安全センターのサイトで講習実施予定の実施状況を確認します。
①「消防設備点検資格者」
②お持ちの免状「第1種」、「第2種」、「特種」から
③「年間予定」、「4〜6月」、「7〜9月」、「10〜12月」、「1〜3月」で実施状況を確認します。
全国どこで受講してもOKです。
日時や場所からご都合のよい受講日を決めてください。
再講習は平日に実施されます。日常の業務に支障が出ないよう受講する場合は早めに受講の予定を周知してください。
ステップ3.申し込みについて
再講習申し込みの時期が近くなると、安全センターから「再講習受講案内」が送付されます。「再講習受講案内」に同封されている説明や日本消防設備安全センターのホームページを参照して、必要事項の記入および書類を準備して希望する受講地の「申請書提出先」へ提出します。
「再講習受講案内」の届く時期は前回受講した消防設備点検資格者講習または再講習の受講期間(4〜6月、7〜9月、10〜12月、1〜3月)の数ヶ月前に届きます。
例)前回1〜3月に受講した場合は有効期限である年の1〜3月の数ヶ月前に送付されます。
例のように1〜3月の数ヶ月前に送付されるからといって、1〜3月に受講しなければならないわけではありません。有効期限までであればいつ受講してもOKです。
「再講習受講案内」の送付先は免状の登録住所に送付されます。引っ越しなどで住所が変わった場合は届きませんので注意が必要です。「再講習受講案内」が届かない、無くしてしまった、届く前の早い時期に受講したい場合は各都道府県の消防設備協会等に連絡して「再講習受講案内」を用意してください。
日本消防設備安全センター お問い合わせ先 都道府県消防設備協会等一覧
再講習は定員制です。定員に達すると受付は終了される場合があります。申し込みが始まったら早めに申請書を提出しましょう。
受講料の支払いは郵便局またはゆうちょ銀行の窓口で支払います。営業時間中に支払いができるようご自身の予定を確認しましょう。受講料とは別に払込み(払込書類等による送金)料金が必要です。
「再講習受験票」に貼る切手や写真など、もれなく用意しましょう。
科目の免除について
科目の免除が認められる条件
科目の免除が可能な条件として、以下のように定められています。
次に掲げる方は、申請することにより再講習科目のうちの点検概論(1時間)の講義が免除されます(平成16年消防庁告示第18号第8)。
◯ 第1種を受講される方
(1) 第2種又は特種の再講習を受けた後、第1種の再講習受講日が6か月以内の方
(2) 消防設備士講習(消防法第17条の10に定める講習)を受けた後、第1種の再講習受講日が6 か月以内の方
◯ 第2種を受講される方
(1) 第1種又は特種の再講習を受けた後、第2種の再講習受講日が6か月以内の方
(2) 消防設備士講習(消防法第17条の10に定める講習)を受けた後、第2種の再講習受講日が6 か月以内の方
◯ 特種を受講される方
(1) 第1種又は第2種の再講習を受けた後、特種の再講習受講日が6か月以内の方
(2) 特類の甲種消防設備士講習(消防法第17条の10に定める講習)を受けた後、特種の再講習 受講日が6か月以内の方
日本消防設備安全センター 4.科目免除 https://www.fesc.or.jp/jukou/setsubi/saikousyu/annai1.html
6ヶ月以内に上記の再講習を受講していれば点検概論(1時間)の講義が免除されます。科目免除した場合は再講習当日の受付時間が変わります。午前10時30分から10時50分までの間に受付をします。
科目の免除の申請について
①再講習の申込時に申請する場合は、受講申請書への記入と6ヶ月以内に再講習を受講した免状のコピー(A4サイズ)が必要です。
②再講習の申込時以外に申請する場合は、受講する予定の申請書提出先に連絡して指示される書類を提出します。免除を予定している再講習の直前に連絡すると受け付けられない場合があります。
再講習受講期限の延長について
期限の延長が認められるケース
次に掲げる事情により、安全センターが免状の有効期限内に再講習を受講できないことを認めた場合には、免状の有効期限の日から1年以内に限り再講習受講期限の延長が認められます (平成12年消防庁告示第14号)。 再講習受講期限の延長を必要とする方は、免状の有効期限の日までに、「消防設備点検資格 者再講習受講期限延長申請書」に、再講習を受講することができない事情を証明する書類を添えて安全センターに申請してください。申請書は、ダウンロードできます。
◯ 海外旅行をしていること。
◯ 災害を受けていること。
◯ 病気にかかり、又は負傷していること。
◯ 法令の規定により身体の自由を拘束されていること。
◯ 社会の慣習上又は業務の遂行上やむを得ない緊急の用務が生じていること。
◯ その他、安全センターがやむを得ないと認める事情があること。
日本消防設備安全センター 11.再講習受講期限の延長 https://www.fesc.or.jp/jukou/setsubi/saikousyu/annai1.html
延長の申請について
再講習受講期限が終了するまでに郵送により申請します。
必ず免状の有効期限の日までに申請しましょう。
申請書はこちらからダウンロードできます。
再講習受講期限の延長については、事前に問い合わせしてから申請することをおすすめします。お問い合わせ先
私は昨年度、新型コロナウイルス渦に伴い再講習の中止や人数縮小により受講できなかったので日本消防設備安全センターに再講習受講期限の延長を申請して承認されました。
わからなかったら問い合わせよう
私もわからないことは問い合わせますし、丁寧に教えてくださいます。ご自身で調べるより問い合わせたほうが早く正確な答えを得ることができます。
わからないことや不確かなことがあれば問い合わせましょう。
日本消防設備安全センター お問い合わせ先 都道府県消防設備協会等一覧
まとめ
消防設備点検資格者の再講習申し込みの注意点やポイントをまとめました。
私が伝えたいのは「有効期限までに受講申込を完了させる」ことです。
多忙で後回しにしたりして申し込みをうっかり忘れてしまい、有効期限が過ぎてしまった。申請期間のぎりぎりになって申し込みをして、定員オーバーのため受講でなかった。しかも有効期限までに受講できる再講習はもうない。
こうなってしまっては、せっかく取得した資格も喪失してしまいます。
喪失して再取得する場合は、初めて受講したときと同じ日数と費用が必要となります。それだけではなく、消防設備の点検や報告に支障がでてしまいます。
免状の有効期限を確認して確実に再講習を受講しましょう。