連結送水管の点検における注意点|動作方法とウォーターハンマーについて

消防用設備
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連結送水管とは

連結送水管は、消防用設備等の消防活動上必要な施設であり、消防隊が消火活動の際に消火用水を火点階及びその上階まで送水するために建物内に設けられた施設です。

連結送水管が設けられている中高層建物での消防隊の活動は、竪穴区画の排煙後クリアゾーンを設定、前線基地を設営、空気ボンベ等必要な資機材を搬送しながら連結送水管等を活用して延焼阻止及び消火活動に入ります。

放水圧力

火災発生時や消防設備点検時、ポンプ車が双口型の送水口へ部署し2線同時放水で連結送水管へ定められた放水圧力で送水を行います。放水時は注意すべき点があり、2線放水の送水圧力を同じに保たなければいけません。

2線が違う圧力で送水した場合、水流の合流点でキャビテーション発生の原因となってしまいます。また、同じく水流の合流点で一方の強い水流圧力にもう一方の弱い水流圧力が押し返されてしまい、弱い圧力の水流が配管内へ有効に送水出来なくなってしまう現象が起きてしまい、必要な水量を送水出来なくなります。

※キャビテーション…水が低圧状態になった時に気化して気泡が発生する現象

ウォーターハンマー

停水時においては水撃作用(ウォーターハンマー)に注意しなければなりません。

急激に放水をシャットしてしまうと水圧の逃げ場がなくなって配管内を強い水圧が走りまわり、配管との共鳴振動を伴い、配管や弁などの破壊に至ってしまう恐れがあります。点検時だと建物に多大な損害を与えてしまい、消防活動時では要救助者の救出困難や消防活動中の隊員の生命に危険を及ぼす事となってしまいます。

特にシングルレバーを利用して停水の場合、一気に停水してしまうと急激な停水によりウォーターハンマーが発生してしまいます。

ウォーターハンマーが起こりやすいのは放水停止時ですが、送水時においても、水が充填されている湿式の配管内へいきなり高圧送水をしてしまうと配管内で急激な水流の変化が起こりウォーターハンマーの原因となりますので注意が必要です。

点検時の注意すべき点

乾式の連結送水管を点検する際、まず全ての放水口が閉になっているかを確認してください。コンプレッサーを使用して空気を流し込み、圧力ゲージにて空気の漏れ無し(配管の破損、腐食)を確認した上でポンプにて送水します。

強い圧力で水を充填さえしなければ充填時におけるキャビテーションやウォーターハンマーの心配はそれ程無いと考えられますが、注意すべき行動は配管内へ水を充填した後の放水、停水となります。

放水時の注意点

放水時最初は、配管内の空気が水と供に放出され、水と空気が混じったままの放水(キャビテーション)が発生します。放水時のキャビテーションを防ぐには、放水口を少しだけ解放して先に空気を排出し放水に至る配慮が必要です。それにより配管への負担が軽減され、安定した放水圧力が測定出来ます。

停水時の注意点

停水においては、ポンプ稼働中は先に述べた通り、ウォーターハンマーを防止する為に急激な停水は避け徐々に数段階に分けて停水するようにしましょう。

途中の放水口が開放されていてポンプ稼働中に先の放水口をシャットしてしまうと、途中の放水口からポンプ圧と落差の圧力が加算され高圧力の放水となったり、ポンプへ大きな負担がかかりかなり危険な状態となってしまいます。

まとめ

消火活動中ではこのようなケースは多々ありますが、この場合はポンプ、途中の放水、先の放水との連絡を密にして送水圧力の調整やシャットのタイミングを見計らって活動します。点検作業では、このような危険を犯しての作業は避けるべきです。

いつ何時でも消防用設備等を有効に使用出来るように点検管理しておくのが消防設備士の責務であり使命でもあります。その為には、その施設がどのように使用されるのか、その設備の役割を理解した上で点検管理しなければなりません。

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